2022年末に閣議決定された、税制改正。相続税のルールが変更が決まった一方で、NISA(少額投資非課税制度)の拡充も。
将来に備え、資産形成を進めている一定層には追い風に。家計に直結するものについては、固定資産税や自動車税についても一部変更となった。
今後、税法改正について、ポイントをおさえ、賢く、節税や資産形成につなげる必要がある・・
相続税&贈与税の改正ポイント
相続税・贈与税については、生前贈与加算が見直しへ。
2024年1月以降の贈与から、相続税の加算対象期間が3年から7年に延長。
生前贈与と死後の相続で、税負担に差が出ていた事のギャップを是正する目的。
■相続時精算課税の利用時、年110万円までは申告不要となる(2024年1月以降の贈与)
■教育資金の一括贈与の非課税を2026年3月末まで延長。
■子育て・結婚資金の一括贈与の非課税を2025年3月末まで延長。
■マンションの相続税評価を2023年に見直しへ。
財産が多ければ、多いほど税率が上がる相続税。
対策の基本線は、財産を減らす事。生前に財産を子供等に贈与し、自身の財産を減らしておく事で、相続時の税負担を軽減できる。
今回の改正で、生前贈与を使った相続税の軽減が一部封じられたという見方もある・・
不動産税制の改正ポイント
■空き家の相続の譲渡所得から、3000万円を控除する特例を2027年12月まで延長。
■新型コロナ対応の固定資産税の軽減措置が、2023年3月末で終了。
■大規模レベルの修繕工事を実施したマンションについて、固定資産税の減額特例を創設。
エコカー減税の改正ポイント
エコカー減税の現行制度について、2023年12月末まで維持し、2024年から優遇対象を見直し(適用基準が厳しくなる)。
NISAは、2024年から新制度へ
2024年から開始される新しいNISA制度。非課税期間の恒久化や投資枠の拡大等、メリットも拡大方向。
これまでは期限付きだった新規投資期間と非課税期間は無期限に。年間非課税投資枠は、現行の積み立て投資枠が3倍の120万円となる。
一般NISAを引き継ぐ「成長投資枠」が、現行の2倍の240万円に拡大。
現行NISA | 新NISA制度 | |
投資可能期間 | つみたて:2042年まで | 恒久化 |
一般:2023年まで | 恒久化 | |
年間非課税投資枠 | つみたて:40万円 | 120万円 |
一般:120万円 | 240万円 | |
つみまてと一般型の併用 | 不可 | 併用可能 |
非課税保有限度額 | つみたて:800万円 | 1800万円 |
一般:600万円 |
新NISAの生涯非課税投資枠は、1800万円(成長投資枠だけ使用する場合は1200万円が上限)
新NISAは、ある程度、まとまった金額を運用したい、シニア層の投資家には、使い勝手がよくなったといえる。